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東京マルイ社製 電動ガン モデルのM14(エムじゅうよん)についてのお話です。
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長距離を静かに当てたいときの主力です。
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P90とは |
P-90は、FN社(ファブリック ナショナル社)により1980年代末に開発された。
NATOの「P.D.W.=パーソナル・ディフェンス・ウエポン」プロジェクト、D/296の開発要求に沿って生まれた新カテゴリーの個人用特殊小火器だ。
PDWという概念が根付いていない為、サブマシンのカテゴリーに属するが、既存の拳銃弾を使用せず、小型化されたライフル弾のような形状の専用弾薬を使用する新しい形態の火器です。現在ではFN社もサブマシンガンとしている。
5.7mmx28mm小口径高速弾により、射距離200mでボディアーマーを完全に無効化する能力を持ちながら全長は、わずか504mm。
独特のレイアウトからなるブルパップ・タイプで、全長に比してバレルは十分に長く、本体に対して水平にセットされるマガジンは、50発もの装弾数を誇る。
発表当初は機械化部隊や後方部隊など、装備や任務の面から自動小銃などを標準装備しない、あるいは装備し辛い環境にある兵士が、後方浸透してきた敵の破壊活動などにも対処できる軽便で強力な自衛用火器とされていた。
冷戦終結後に対テロ戦争が増加し、近距離での戦闘に適した火器の需要が高まった事から、むしろ建物などの閉鎖空間において活動する各種特殊部隊用の火器として位置づけられて来ている。
現在P-90は、開発国ベルギーの特殊部隊ESIをはじめ、フランスGIGN、ドイツPSGなど、NATO諸国の特殊部隊や要人警護任務に使用されている。また、アメリカ公安機関向けの発展型、P-90/USGは、大統領警護の任に就くシークレットサービスに制式採用されており、P-90の群を抜く戦闘力が世界的に評価されているのは間違いないようだ。 |
冷戦期の国際情勢が生んだPDW、実銃P-90開発の経緯。 |
ヴェトナム戦争中、米軍により歩兵装備の一つとして採用されたボディアーマーは、新素材ケブラーの開発の成功を受けて、80年代には冷戦下の東西陣営に瞬く間に普及した。この事は、アサルトライフルで武装する前線部隊はともかく、ピストルやサブマシンガンで護衛される司令部や後方任務部隊の無力化を表していた。
ボディアーマーは、ライフル弾で無効化できても、ピストル弾では貫通しない。と言って、多様な任務をこなす後方部隊をライフルで武装させると支障が生じてしまう。
NATO前面、ワルシャワ・パクト陣営と国境を接する西ヨーロッパ諸国では、開戦となると空挺作戦などにより、軍司令部や兵站をはじめとした後方部隊がまっ先に襲撃される事は必至だと考えていた。
このため、後方部隊に装備させる小型・軽量、かつボディアーマーに対して実効性のある新兵器が求められたのである。
ベルギー、エルスタルに本社を構える名門の銃器メイカー、FN社はNATOの開発要求を分析し、新兵器「PDW」は、既存の弾薬では実現不可能と判断した。
ピストル弾並みのリコイルとサイズでありながらライフル弾と同一の貫通力を得るためには、全く新規の弾薬の開発が必要であった。
5.56mmNATO弾(SS109)の開発メイカーでもある同社は、弾薬開発のノウハウを備えており、1986年、早速自社の弾薬研究所で試作を開始した。
検討の結果、ピストル弾のようなストレートな形状の薬莢では装薬量が制限され、射距離200mでの貫通エネルギーが得られない事が判明し、ライフル弾と同じ弾丸圧入部の口を絞った、いわゆるボトルネック形状を選択する事で問題を解決した。
「SS90」と名付けられた、この新弾薬はライフル弾をそのまま短くしたような形状だが、軽量の弾丸を装着し当初の計画どおり発射時の反動を小さく、ピストルと同等程度に抑えていた。
この事は弾薬と同時進行していた、PDWの発射メカニズムの簡素化に大いに貢献した。
反動が少ないと言う事は、複雑な藥室閉鎖/開放システムを用いずに重いボルトを使用するだけのシンプルなブローバック機構で事足りる。開発期間の短縮が可能となり、撃発メカニズムをはじめ主要部品のほとんどを生産性とメンテナンス性に優れるプラスティックで構成できた。
1988年10月、ギリシャ・アテネで開催された国際兵器見本市、ディフェンドリーに於いてFN社は、この新兵器PDWに「P-90」の名前を与え発表した。
「P」の記号からピストルの新製品と勘違いした人が多く居たようだが、これはピストルを表す訳ではなく、「SS90=5.7mm×28」の新弾薬とそれ専用に設計・開発されたPDWの両方を指す「プロジェクト90」の意味を込めている。
来場者の誰しもが、その特異なフォルムに目を奪われた。サムホールタイプのグリップ/ストックが一体となった大きな円弧が二つ連なる形状。その上部にセットされたシースルーのマガジンと、そのマガジン前部を覆う形で設置されたサイトレシーバーと小型の光学サイトは、射撃ポジションを容易には想像できかねる奇妙なスタイルであった。その独特の形状から名付けられたあだ名が「ヴァイオリン」であるのは得心がいく。ただしこの楽器が奏でるのは、900発/分で高初速弾が空気を切り裂く音色なのだが。
一瞥だけでは奇異に映るスタイルも実際に手にすれば人間工学を配慮している事が理解できる。完全にシンメトリーにデザインされているため、利き腕による不利を生じさせない。また、ワンハンドでもツーハンドでもコントロールに不安がなく、ブルパップの欠点である排莢ポートはストックの下部に設けられており、他機種の様に射手が顔面に危険を感じる事がないのである。
トリガー基部に水平に位置するセレクター、簡易ながら即座にサイティングが可能なコリメーターサイトなど訓練が充分ではない兵士が所持しても効果的な戦闘力を発揮できる装備と機能を充実させていた。
1990年ベルリンの壁の崩壊を受けて東西ドイツが統一された。その前年から始まった東欧革命により、ワルシャワ・パクトも崩壊し、NATOが危惧した全面戦争は回避された。
これにより、西側各国は軍縮の時代に突入し後方部隊に大量に装備させる目的で開発されたP-90も存在意義が揺らいだかに見えた。
しかし、旧共産圏に加盟もしくは保護されていた様々な国で政情が不安定化し、同時に手っ取り早い外貨獲得の手段として大量の武器が流出し反政府組織やテロリスト、犯罪者たちの手に渡る結果となってしまう。ケネディ大統領がかつて予見したように世界は地域紛争とテロ、そして都市型重犯罪の時代へと突入した。
そんな中、P-90に注目した組織があった。対テロ、対銃器犯罪を任務とする特殊部隊である。
小型・軽量でありながら、命中精度に直結する長いバレルを持つブルパップ・タイプ、従来機種を遥かに凌駕する50発ものファイアーパワー、即応性に優れた操作性などP-90には近接戦闘時に銃器に求められる要素が全て揃っていたためである。
1997年4月22日、爆裂音と銃声が轟く南米・ペルー日本大使館。その屋根から突入を試みる特殊部隊員の手に携えられていた異形の銃器に世界中の視線が釘付けになった。それはまぎれもなく、初めて実戦に投入された「P-90」の衝撃的映像であった。
「ペルー日本大使館人質ろう城事件」は、P-90の有効性を証明する舞台となり、これ以降、作戦内容に適応する目的でトリプルレイルモデルをはじめとしたバリエーションモデルの開発や弾薬の改良が進められ特殊部隊用銃器としての色合いを濃くしていった。
そして2001年9月、世界はさらなる渾沌に包まれた。「ニューヨーク同時多発テロ」の発生である。軍事作戦はまさに特殊部隊が主役となり、特殊部隊用銃器が矢継ぎ早に採用される中、P-90は、その特異なスタイルとともに特筆した性能によって現在でも色褪せる事なく存在をアピールし続けている。 |
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東京マルイ
電動ガン
P-90 について |
東京マルイでは「P-90」の電動ガン化にあたり、まずその特異な形状のボディラインを可能な限りリアルに再現することからスタートしている。斬新なブルパップスタイルながら、手にとってみれば納得できる人間工学的フォルムには、誰もが感嘆の声を上げることだろう。
実銃同様の操作により、サイトレシーバーとグリップ/ストックがテイクダウン可能、システマティック・ウェポンのフィーリングを完璧に再現しながら、同時に抜群のメインテナンス性を備えると言う利便性をも追求している。
内蔵されたメカBOXは<バージョン6>。
大型の本体ストックに包み込まれた形式ともあいまって、特に静粛性に優れている。
使用モーターは<EG-1000型ハイトルクモーター>だ。
また、本体上部に位置するコリメーターサイト部には、<Hi-Low光量2段階切り替え式の本格的なドットサイト>が採用され、素早くポジティブなサイティングが可能であり、実用的なセッティングとなっている。
また、今回のリニューアルに際してサイト前面部の防弾性能はさらに向上しており、加えて接眼レンズ径を拡大し即応性の高い照準が可能になっている。
実銃では最大の特徴ともいえる本体上部セット型のシースルー50連マガジンは、外観を重視したダミーカートリッジ内蔵タイプ(ノーマル装弾数68発)が標準装備される。
その他、トリガーフィンガーで容易に操作可能なセレクターレバーはフルオート位置「A」でのトリガーコントロールによる切り替えも再現している。
本体上部右側には実銃同様、金属製の20mmマウントレイルも装備。マルイ製・「プロライト」をはじめ、フラッシュライトや各種エイミングモジュールの取り付けも自在に行なえるのだ。
従来の銃器のどのカテゴリーにも属さない未来形状の兵器=P-90。
電動ガンとしても一線を画す機能を装備して時代を切り拓く意気込みを忠実にカタチにしている。 |
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